イジワルな君に、ラブレターを。
「あ、痛っ」
私はいきなり、純太にデコピンされた。
「もう、純太! いきなりそういうことするの反則」
「ははっ。若葉に似合わず、しょぼくれた顔してっから。せっかくの可愛い顔が台無し」
「……え?」
純太、今さらっと『可愛い顔』って言った?
「……俺は、お前の笑ってる顔が一番好きだ。だから、もう落ち込むな」
「……っ」
どうしよう。純太にしては珍しく、甘い言葉の連続で私の頭が追いつかない。
もしや純太、反省文を山ほど書いたせいで、頭がおかしくなっちゃった?
彼にこんなことを言われたのは、15年間一緒に過ごしてきた中で初めてで。
戸惑うのと同時に、いま私のなかで嬉しい気持ちが次から次へと溢れ出てきて止まらない。