イジワルな君に、ラブレターを。
「若葉の母ちゃんの代わりに、俺が毎朝起こしてやってんだから。むしろ感謝して欲しいくらいだわ」
「いーやっ。こっちは、迷惑だしっ!」
……とは言った手前、私の家は親が共働きで、ふたりとも朝早くに家を出るから。
朝に弱い私を、親に代わって起こしてくれる純太の存在は有難いのだけれど。
「そういえば、今何時!?」
部屋の壁時計を見ると、いつの間にか午前8時を過ぎている。
学校が始まるのは、8時45分。家から学校までは、徒歩で20分ほどかかる。
「もう! 純太と言い合っていたせいで余計に遅くなっちゃったじゃない! 早く着替えて用意しなくちゃ」
私は慌てて、学校へ行く準備を始める。
「あっ。俺、先行ってるから。若葉と一緒に遅刻するとかごめんだし」
「えっ。あっ」
冷たく言い放った純太が、さっさと私の部屋を出て行った。