イジワルな君に、ラブレターを。
そして、その日の放課後。
「ああー! やーっと終わったぁ」
純太が自分の席で「ん〜っ」と思いきり伸びをする。
「お疲れ様、純太」
「ほんと。マジで疲れたわ」
純太は、拳で自分の肩を叩く。
純太は今朝遅刻した罰として放課後の今までずっと、担任から課せられた反省文を書かされていたのだ。
自分のことをかばってくれた純太を、ひとり置いて帰るなんてことはできるはずもなく。
私は教室で、純太のことを待っていた。
教室は、いつの間にか誰もいなくなっていて。
窓から差し込む夕日が、教室をオレンジ色に染めている。
「まったく。担任も厳しいよなぁ。俺が一生懸命書いた反省文を、何度も書き直しさせるなんて」
原田先生は『文が短い』『全く反省が伝わらない』と、純太に何度も反省文のやり直しを求めた。
机の上には、くしゃくしゃに丸められた紙の山ができている。
本当は反省文、私も書かなくちゃいけなかったのに。純太がかばってくれたから。
原田先生は今朝の純太の話を信じたようで、私はそのおかげで今回難を逃れた。