ずっと探していた人は
「けどさ、絶対追いかけてくるよ。特に徹、絶対すぐに追いかけてきそう」

由夢がクスクス笑う。

「そうだなー……」

中川くんが応えきる前に、由夢の予言はすぐに当たり―……

「おーい、お前ら3人でどこ行くんだよーう」とすぐに徹の声が追いかけてきた。

「やっぱりね」

私たち3人は予想通りの展開に、思わず吹き出す。

「どこ行くの?」

追いかけてきた徹は、俺らも一緒に行く、とついてくる。

「あれ、もうゾンビはやめたの? なかなか似合ってたから、あのまま校内歩けばよかったのに」

自撮りをしていたという中川君の話を思い出し、私は徹をからかう。

けれど徹は、まんざらでもない顔で答えた。

「だよな、俺も結構イケてると思ってたぜ」

少なくとも大橋の吸血鬼よりはよかっただろー?という問いかけに、次は私が徹に軽蔑の目を向ける。

「少なくとも、大橋くんの方が似合ってたよ」

「はー??? そこは、『そうだね』の一択だろー??」

拗ねている徹をなだめつつ、結局5人でタコ焼きを食べに向かう。


ちょうどお昼の時間ということもあって、タコ焼きを売っている模擬店には行列が出来ていた。

食べ物を出している模擬店は見渡す限りどこも混雑していたので、きっとほかのタコ焼きを出している模擬店にも行列が出来ているだろう、という結論になり、私たちはおとなしく列の最後に並ぶ。

たった1人、例外はいたけれど。

「あーもう腹減っておとなしくなんかしてられない!!」

「普通腹が減ったらおとなしくなるんじゃないの?」

バタバタと暴れまわる徹に、中川くんが冷静につっこむ。

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