LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
そして、その日の昼休み。


ちょっとした事件が起こった。


今日も私が食堂で昼食を摂っていると。


一時期よりかはマシになったとはいえ、
ヒソヒソと私の悪口が聞こえて来る。


もう無視を決め込んで、私は頼んだ天ぷらうどんを食べていた。


そうしたら、食堂がシーンと一瞬で静まった。


え、何?と思って、うどんから目線を上げると、

食堂の入口には、綾知さんが居て。


その横には、何故か、弁護士の滝沢さんが。


食堂は、突然、社長が現れた事で、みんな驚いている。


「滝沢君、俺の大切な妻の千花の悪口言ってた奴ら、全員クビにしてやりたいんだけど、
やっぱりそれって難しいの?」


そう言う綾知さんに。


「さすがにそんな事したら、集団になって不当解雇で訴えられますよ?」


滝沢さんは、苦笑している。


「そうだよな。
こいつら集団になったら強気だから」


「ただ、一人一人、奥様に対する名誉毀損で訴えて。
その起訴を取り下げるのを条件に、退社を促してはどうですか?」


「なるほど」


綾知さんと滝沢さんは、そうやって笑いながら話しているけど。


この食堂内の空気は、恐怖で包まれている。


私の悪口を言ってた人達は、怯えたように目が泳いでいる。



「ほら?前に滝沢君にアドバイス貰ったようにちゃんとしたよ。
証拠を集めろって。
いつ、どこで、誰が千花の悪口を言ったか、俺の優秀な秘書が、けっこう纏めてくれて。
こうやって、リストにしてくれて」


そう言って、綾知さんはファイリングされた、その紙の束を掲げている。


あの紙には、誰が、いつ、何処で、私のどんな悪口を言っていたか、書いてあるのだろう。


「ただ、途中から。川邊専務が、千花の悪口言ってる奴らを見付けたら諌めだして。
そのせいで、最近はあんまり集まらなくて」


川邊専務が?


もう、この件には関わりたくなさそうだったし、
私を助ける義理はないって言ってたのに。


やはり、あの人はいい人だな。



「ああ、なんか篤らしいな」


「だから、俺。
川邊専務嫌いなんだよ」


その、綾知さんの衝撃的な発言に、
食堂内がざわついた。


綾知さん、川邊専務が嫌いなんだ。

もしかして、噂で聞いたけど、
川邊専務が子沢山だから、とか?



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