LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
その後の会社では。
綾知さんと滝沢さんが食堂に現れた後から、私に対する悪口がピタリ、と止んだ。
そして、みんな私に対して怯えているように見える。
私に悪口を言ったら、眞山社長に訴えられる、と。
「神山さん。おはようございます」
「お、おはよう!」
そう言って、神山さんは私の方を見る事さえも怖がっていて。
あの出来事の前は、会社では気さくで優しい社長で通っていた綾知さんだったけど。
あれ以降、実はけっこう怖い人、みたいになって。
だから、そんな鬼のような社長と結婚した私は、羨みの対象から、なんか可哀想…になったみたいで…。
それも含め、眞山社長の夫人の私に、
この会社で悪口を言う人間が居なくなった。
なった、けど。
今のこの状況も、これはこれでちょっと居心地悪くて。
もう、こんな会社辞めてしまおうか、と思うけど。
この会社の近くに、けっこう有名な不妊治療を行っている産院があって。
そこに通うのに、けっこうこの会社の場所が都合が良くて。
もう暫く、このまま働こうかな?と思っている。
「おはようございます。眞山社長」
私は立ち上がり、今出勤して来た綾知さんに、そう挨拶をした。
綾知さんは軽く頭を下げると、
私に笑顔を向けてくれる。
「千花、眞山社長に本当に愛されてるんだね?」
その神山さんの言葉に、
「はい」
と、頷いた。
会社もそうだけど、家の方も平和で。
「千花さん、その爪なんなの?
切ってきなさいって言ったでしょ?
キラキラさせて!
そんな爪で料理出来るわけないでしょ?」
「これ、簡単に剥がれたりしないし大丈夫ですよ?」
今日も、仕事から帰ると、お義母さんに料理を教えて貰う。
実は、私はまるっきり、料理が出来ない。
「本当に千花さんあなたはなんなの?!
馬鹿なの?!」
そうやって、お義母さんは小言が多いけど。
けっこう、嫁姑として仲良くやっている。