LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
子供好き
綾知さんの子供を絶対に産むと言ったものの。


本当に、それを実現出来るのか不安だった。


でも、世の中一つ上手く行けば、全部上手く行くのか。


綾知さんと二人で色々と検査した結果。


やはり綾知さんの方には、問題があるけども。

今の医療の力ならば、妊娠を望めると言われた。


それに、綾知さんも、外科的な事迄もせずに済んだ。


そして、私は一度目の胚移植で、運良く妊娠して。


男の子と女の子の双子の兄妹を、無事に出産した。


そして、その子達は、今日で一歳になる。


夕方。



「パパ…パパちゅき」


女の子の桜子(さくらこ)の方が、
言葉が早い。



「あーあーあー」


男の子の葵(あおい)は、まだ言葉が出ない。



けど、二人共早い段階から歩き出して、
一歳になった今、本当に大変!


「千花、葵のよだれ掛け替えるけど、いい?」


キッチンで、お義母さんと一緒に双子達のバースデーケーキを作っている私の元に、
早く帰宅した綾知さんが双子達を抱えてやって来た。



「あ、うん。お願い」


「千花さん。後は私がやっておくから。
綾知一人に任せないで、あなたも子供達と遊んであげなさい」


お義母さんのそれに、内心、えーと声が漏れる。


子供はとても可愛いのだけど。


しんどい。


こうやって、生クリームをハンドミキサーで泡立てている方が何倍もいい。


「ママ!」


そう言って桜子が私に手を伸ばしているから、
綾知さんから受け取るようにこの子を抱き抱える。


妹の桜子は私にソックリで、兄の葵は綾知さんにソックリ。


二人は本当に、私達の分身みたい。


子供好きな綾知さん。


予想はしていたけど、その可愛がりっぷりは半端ない。


一歳の今、二人の写真は既に数千枚ある。


それを、夜な夜なアルバムにちゃんと貼ったりしている。


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