LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~

打ち合わせが終わり、
その式場を出て二人で歩く。


それは、並木道で、今の時期は葉が散り、残った葉は黄色くなっている。


今日、眞山社長は1日オフだと夕べかかって来た電話で言っていたけど。


式の打ち合わせが終わっても、まだ18時過ぎ。


この後、どうするのだろうか?


何処かで晩御飯でも、って流れなのか。


それにしても、こうやって二人で歩いていると。


まるで、恋人や夫婦みたい。


「本当に、結婚したんですね。
私と眞山社長」


「今さら?」


アハハ、と笑っているけど。


今さらもなにも、本当に今も結婚した実感なんてない。



「そうそう。その眞山社長って呼び方辞めて欲しい。
会社はともかく、こうやって二人で居る時は。
後、敬語も」


「そうですね…。
いえ、そうだよね」


社長にタメ口なのもそうだけど、
眞山社長とは年齢差もあるから、余計に難しい。



「綾知って呼んで。
無理なら、綾知さんでも構わない」



「綾知…さん」


さすがに、綾知とは呼べない。


そうやって恥ずかしがる私を、クスクスと笑っている。


その笑顔は、いつもの、裏に何かを隠しているような笑顔じゃなくて。


昔に見たこの人の笑顔と同じ。


もしかしたら、いつか本当にこの人と普通に夫婦になれるのかもしれない。


昔は恋愛結婚じゃなく、お見合い結婚だってざらだったし、
それと同じだと思えば、これも普通の結婚と同じ。


もし、そうなら、一つ、確認しておかないといけない事がある。

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