LOVEHATE~御曹司社長と黒い子作り婚~
「私…帰る」
そう言った私の腕を掴んだのは、
綾知さんではなくて、倉持さん。
「俺、けっこうSっ気あるから。
無理矢理なのも、けっこうあり」
「離して」
腕を力強く振り払おうとするけど、
その手は離れない。
「倉持、こっちの部屋にベッドあるから」
綾知さんは、リビングの横の部屋の扉を開いた。
そこには、セミダブルのベッドが置いてある。
倉持さんは、力強く私をその部屋へと引っ張ると、
そのまま私をベッドの上に押し倒す。
「お願い…辞めて…」
「眞山さん、後から訴えられたりしません?」
「大丈夫。
俺がそんな事させないから」
綾知さんも部屋に入って来ると、
私を見下ろすように見ている。
「後、子供が本当は俺の子供だとか騒いだりされないですか?」
「それも大丈夫。
千花が誰の子供を産もうと、それは俺の子供だから」
そんなわけないじゃない…。
私だけじゃなく、そんな形で産まれて来る子供が、可哀想だとかこの人達は思わないのだろうか?
「千花、べつにいいだろ?
だって、千花は俺の事を好きなわけじゃないから。
なら、産むのが本当の俺の子供じゃなくても構わないだろ?」
なんだか、その質問が私の常識からかけ離れ過ぎていて。
なら、これで構わないのか、という錯覚さえも起こる。
綾知さんであろうと、この倉持さんであろうと。
私は、全く好きではない人の子供を産まされる。