敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「え! さすがにそれは……」

「とびきり大きなダイヤを選んできてやるから、いい子にして待ってろよ」

大きな手で頭を撫でられた。まるで子ども扱いで、恥ずかしくてたまらない。

「大地先輩、絶対の絶対に、無事に帰ってきてくださいね!」

踵を返した彼に、大きな声で叫んだ。

「当たり前だ」

振り向いた彼の表情が私を慈しむみたいに優しくて、胸がキュンと締めつけられる。

周囲を見やると、ものすごい注目を集めていたようで耳まで真っ赤になった。きっと相当目立っていたに違いない。

その中でも一際鋭い視線を、保安検査場の方角から感じた。

ひとりのCAが私を見ている。

大地先輩と仲のよい人だろうか。

離れたところからでもわかるくらい、きれいな女性だった。

大地先輩と合流し搭乗口に向かう彼女の姿が、なぜか脳裏に焼きついた。


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