敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
私の頭の中は大地先輩で埋め尽くされていて、心が穏やかでなくなりそうになると、彼の『いい子にして待ってろよ』という声がリフレインした。あんなにかっこいいパイロットは、世界中のどこを探してもいない。

……いい子にして待っています。だからどうか、何事もありませんように。

飛行機恐怖症は特別なものではない。高所恐怖症や閉所恐怖症のように、たくさんの人が抱えている悩みだ。

それでもこんなにも飛行機を恐れているパイロットの妻は、私くらいかもしれない。


四日後、ついに大地先輩が戻ってくる日になった。

出発時には大地先輩のイケメン効果が絶大だったものの、日を追うごとに居ても立っても居られなくなり、今朝彼のフライト時間になると不安でたまらなくなった。仕事は這って行き、当然のように睡眠不足で、食事もまともにしていない。

こんな生活を続ければいつか肉体的にも精神的にも支障をきたしそうだ。飛行機への恐怖の根の深さを思い知る。

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