敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
霧が晴れるように恐怖心が消え去る。なにか機内アナウンスが入るたびにビクビクしていたのに、こんなにも頼もしく思えたのは初めてだった。

大地さんのことだけ考えて、フライトの時間を過ごす。

その後は少しだけうとうとできる時間もあり、約七時間後、無事にホノルル空港に着陸した。
CAさんやほかの乗客に迷惑をかけなくて本当によかった。

何度か大きく深呼吸してから、飛行機を降りる。

空港を出ると、どこからともなくプルメリアの甘い香りが漂ってきた。海のにおいもして、常夏の国に来たのを全身で感じる。一年中温暖な気候のハワイは、空気がカラッとしていて、想像していたよりもずっとさわやかだった。

私は彼より一足先に、タクシーで今夜泊まる高級ホテルに向かう。

高層階のオーシャンスイートからはプライベートビーチも見渡せた。とても素敵な部屋だ。

優雅なバスルームでシャワーを浴び、大地さんを待った。

早く会いたいと気が逸る。

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