レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加



穏やかな声色も、優しい手も、憧れていた彼そのものが作り物として私の瞳に映すから。
全て偽物なのだと、頭の中で不穏な感情がゾワゾワと沸いて出てきた。



「成央さんは……、地位が欲しかっただけでしょう?本当は私の事なんて見てなかったですよね?」

「はは、そんなこと……」


こんな場面でも穏やかな雰囲気で笑っていられるなんて、おかしいに決まっている。



「私と結婚なんてしたくなかった、そんな平凡で何も刺激の無い人生はつまらなかった。だから……だから、奈都さんが必要だったんでしょう?」

「……」

「成央さんはっ、今まで築き上げてきたエリートへの道のりを外す勇気がなかっただけじゃない!?」


病室に響き渡る声は、感情的なヒステリックなもので自分のものとは思えなかった。

息を切らしながらシーツを握りしめて顔を臥せてしまったから、成央さんがどんな表情しているか分からない。





「く、くくくっ、ははは!君だって、小さな頃から周囲に決められた事を受け入れてきた素直な子供じゃないか」


彼の喉を鳴らすような笑いは、酷く不気味に響いて耳をふさいでしまいたかった。

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