レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「青少年保護育成条例って知ってる?」
「えー、何それ?」
なんで、結局こうなるのだろうか。
肌寒い夜道。静かだけど街灯の多い住宅街なのだから、別に1人でも問題ないんだけど。
「18歳未満の青年を守るための法律で、22時以降の出歩き禁止されてるんだけど」
「へー、そんなのあるんだ?」
すぐ隣を歩くのは弟の太央の方だ。
校則でも保護者同伴でなければ禁止なのに、反省のかけらはみられ無い。
「何がおかしいの?」
「志保ちゃんこそさ、さっき何してたの?兄さんと」
それどころか、私の顔を見下ろしてクスクスと笑い出す始末。
「別になんだって……、は、話をしていただけだし」
「へー。電気もつけずに、真っ暗な部屋で?」
「そ、そうよ」
「それってさー、青少年の教育上問題ある行為?」
「……」
「はぁ、無言ってことは肯定かぁ」
「……」
「あは、まぁいーけど。でもさー、なんかあの部屋」
太央が私の耳に近付いて囁くように言葉を続けていく。
「志保ちゃんと別の甘い香りしない?」