レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加



「三木様。ご体調を崩されたとの事で、ごゆっくり休まれて下さい。何かありましたらすぐご連絡くださいませ。では、失礼致します」



母親くらいの年の女将の丁寧な挨拶が終わると、静かに襖が閉じられた。

和室の畳の部屋には、体調の悪い私のためにかすでに布団が敷かれていて。私は倒れるように、掛け布団の上から横になる。


全身が重くて動けない。ぼーっとする意識の中、部屋の中を見渡した。

座敷机の真ん中には囲炉裏が設置されており、その回りに座布団が4つ並んでいる。
奥の広縁には小さなテーブルとソファが2つ視界に入った。




「凄いねー。すっげー、和って感じがするー!さすが、老舗旅館だー」


太央が目をキラキラとさせてはしゃいでいて、奥の部屋まで走って勢いよくソファに腰を下ろすのが見える。



「俺、修学旅行とかはホテルだったしー。家族旅行もなかったし。こういうとこ泊まるのはじめてー」


その言葉に返事は出来ないけど、寝転がりながら"私もそうだ"と小さく頭を動かした。


本来なら、この近辺のレジャー施設をまわってから1泊5万もする歴史あるこの老舗旅館に泊まる予定だった。
どうせなら最後に娯楽を楽しもうということで2人で計画を立てたのだけど、私がこんな状態のため早めにチェックインをする事となったのだ。


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