レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「志保ちゃん、具合どう?」
水で濡らしたおしぼりタオルが額に乗せられた。
いつの間にかすぐ隣に寝転がっていた太央が、心配そうに私の顔を見つめて頬に手を当てる。
「……ごめん、太央。もっと色々と遊ぶ計画たててたのに」
「いーよ。むしろ分かってたしー」
「……え?」
「あは、正直さー。1ヶ月も引きこもりな志保ちゃんに運転させるの無謀だと思ってたんだよね。人混みだってキツいだろーし。でも、最後にお泊まりしてみたくてさー♡むしろ、よくここまで辿り浸けたなー的な?」
声を出して笑う太央が"ラッキー"と言葉を続ける。なんだかこの子に言われると、全て計画通りなのでは?と思えてしまうから不思議だ。
「あ、水飲むー?これ、薬ねー」
「……そうね」
上半身を起こそうと肘をついたところで、太央がコップの水を口に含んで薬のシートをパチンと開けそれも自身の口に入れた。
私の顎をぐいっと上げて、親指が入れられて無理矢理口を開かされる。そのまま、唇を押し当てられて、この子の口腔内にあった水分が流れてきて。
ゴクン。と、飲み込むと同時に異物が喉を通る感じがした。
「口移しー。これもやってみたかったんだよね」
「……」
「少し休んで体軽くなったら、一緒に旅館の中 探検しよーね」