レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「じゃー、志保ちゃん1人で逝けんの?怖じ気づいたから俺のこと誘ってくれたんでしょー?」
上半身を起こす太央がそう言って唇を尖らせた。その通りだ。反論できない自分が悔しくて下唇を噛んだ。
「結局はー、1人じゃ何もできない腰抜け女なんだよ」
「……っ、」
「あは、冗談だよー。俺、凄く嬉しかったもん。志保ちゃんがー、俺のこと必要としてくれて♡クソみたいな人生、ほんと生きてて良かったー」
眉を潜めて不満を言ったりニコニコ笑ったり、この子が何を思っているか、何が本心なのか分からない。
「あっ、でも1つ。ちょっと心残りがあるんだけどー。最後にさー志保ちゃんとしたいんだけど」
「……………え?」
分からないけど……、決まりが悪そうに眉を下げて頬を赤らめる表情は初めて見るから──。
「して……い?」
いつも、嫌みなくらいに自信たっぷりな太央。人の意見なんて聞かない太央が、私の様子を伺うように声を震わせた。
ぎこちなく伸ばされた手が顎をくるくると撫でて、そのまま頬に滑らせてくる。
真っ直ぐ向けられるその純粋な瞳に、吸い込まれそうになって動くことが出来ない。
「…………た、太央?」
「志保ちゃん、可愛いー」
よしよしと頭を撫でてくる大きな手。
唇をペロリと一周舐めて、そのまま啄むようなキスを何度も繰り返していく。