レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「すみません、送って貰っちゃって。ありがとうございました」
「志保ちゃんっ、なんで兄さんの車なんかに乗ってんの!?」
アパートの前で車から下りたところで、
制服姿のあの子がこっちに向かって走ってくるのが見える。
「大丈夫?何か変なことされなかったー?まさか、仲直りしちゃったとか?」
太央が青ざめながら私の両手をと掴むと、ウィンドウガラスを開けた彼が眉を下げて微笑んだ。
「太央、お前まだ学校の時間だろ?また早退したのか?」
「えー、だってー」
「進級だって日数危なかったんだろ?今度は卒業かかってくるんだから、ちゃんと出席日数計算しろよ?」
「まだ大丈夫だよー」
不貞腐れるようなこの子をあとに、成央さんが車を発進させる。
去年までは車が見えなくなるまで見送って、胸を高鳴らせていたな。と、懐かしくさえ思う。
「ねー、何でいつまで見てんのー?」
「見てないわ」
「本当は未練残ってんじゃないのー?」
「そんな訳ないでしょう?」
「……」
「……」
「よくないけど……、別にいーや。志保ちゃんおかえりー」
明らかに不機嫌になこの子の手を取れば、太央はすぐにふにゃりと顔を緩ませた。