レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加



「今日どうだったー?」


部屋に入るなり、太央が私のベッドに飛び乗るよう寝転がった。



「うん。行ってみて良かったわ」

「そっかー」


今日は心療内科の先生に紹介して貰った、正当防衛の被害者の会に参加してきたのだ。
私の場合は正当防衛とは異なるらしいのだけど。

でも、他の人の体験談を聞く事で共感も出来たし、心が少し軽くなった気がする。



「苦しんでいるのは私だけじゃないって思えたし。色んな人の話を聞いて楽になったわ」


ベッドの端に腰を下ろすと、太央がゴロゴロと近付いて甘える様にお腹の部分に抱きついてきた。



「ふーん。志保ちゃんが、楽しかったならいーや」

「楽しかったわけじゃないけど……」


今は療養と体力作りに努める為にも、この春、休職していた高校《しごと》を正式に退職した。
なので、今まで貯めたお金と母が子供の頃から貯めてくれた貯金を切り崩して生活している。甘えてばかりじゃいられないけど、病院の先生曰く心を休めて充電をする期間だそうだ。



「えへへ、志保ちゃん柔らかーい」


ニコっと笑う太央が上半身を起こして、私を覗き込みチュッと軽く口付ける。そのまま、啄むようなキスが始まった。


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