レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加


「大丈夫だった?」


まるでシュンとする子犬のように、太央が私の顔色を伺うよう下から覗き込んできた。



「あなたの心配するような事はないわ」

「奈都が持ってる画像じゃ無かったんだよね?俺の画像なんだよねー?」

「ええ。理事長先生には、ただの噂だったって理解して貰えたし」

「ほんとに!?良かったー」


ぱぁっと表情が明るくなるから。普段は憎たらしいのに私のことを本当に心配しているのだと伝わって、胸がぐってなる。

悔しいような、不思議な感覚に陥りそうになる。




「私と太央の関係性を公にすることになったの」

「えっ、マジでー?」

「そうすれば、あなたとの変な誤解がうまれないでしょう?」

「兄さんと結婚するから俺は義弟になるってことの事?」

「そうよ」


そう、関係性を隠さないことで変な噂が立つリスクが軽減されるということ。



「先生の次は姉さんかー。なんか変なの。俺にとって、志保ちゃんはずっと志保ちゃんのままなのにー」


本当は来年の春、正式に籍を入れてからの予定だった。けど、私と太央が特別の関係だという噂がたってしまったのだから仕方がない。




「でもさー、奈都の画像じゃなくて良かったねー」


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