真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
T2が席を譲る。

「入れ間違ったら最後だ、さてどうするヴェロニカ?」

ヴェロニカの世界最高の頭脳が、プログラムを調べながらめまぐるしく働く。

(・・・このプログラムって・・・そんな・・・)

ヴェロニカは、さらに信じたくない事実を知った。


T2は、必死に戦う彼女の姿が可哀相に思えた。


単なる犯罪者ではなかったものの、自分の父親が、倒すべき敵であり、たった今、目の前で死んだ。

その父が自分と同様に愛したものと、今自ら戦っているのである。


「あんな親でも、お前のことを想っていたのは間違いねぇ。お前のママが、ビデオレターの最後に証言してたぜ」

(えっ?)

「ママがパパのことを?」

「ああ。大切なことだってよ」

(…⁉️)

「アイ❗️ママの声を聞かせて❗️」

「ど、どうしたんだヴェロニカ。今そんなもん聞いてる暇はないだろう」

「私のママはね、結婚するまでは世界一の頭脳って言われたのよ。あの人が・・・ムダなことをするはずがないわ❗️」

「どうしてこの状況で、そっからそうなるんだ?お前の頭ん中ってのはどうなってんだ」

「T2、どの辺?早く❗️」

「ああ・・すまん。確か、最後の最後だ」

アイが通信で、ビデオレターの最後を流す。


『・・・大切なことだから、忘れないで、お前のパパは、大好きな遺跡を眺める時でさえ、いつもお前のことを想っていますよ。どうしても、それだけは伝えたくて、このメッセージを・・・』

(少し考えるヴェロニカ)


「ありがとう。ママ・・・」

奥歯を噛み締めるヴェロニカ。

「はぁ?どういうことだ、ヴェロニカ?」

「ママは・・・ママはきっと、HEAVENの最終決断に賛成してなかったのよ」

「おいおい、お前のママまでHEAVENだったって言うのか?』

T2の目をまっすぐ見る。

「間違いないわ。私には分かる・・・このプログラムは、ママが作ったものよ❗️」

「何だって⁉️」

タッチパネルに向かうヴェロニカ。

「残り10秒です。急いで❗️」

アイが・・・焦っていた。
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