真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
ヴェロニカの指が、ゆっくりパネルに伸びる。


「パパは、本当に私を愛してくれていた。そう信じるわ。そして、この遺跡も同じ様に・・・」













「VENNY」


「ヴェニーって❗️そりゃあ・・・あのウィルスの…」

「小さい時に、パパがつけた私の愛称よ❗️」

要塞全体にエネルギーが充満し、激しく共鳴する。

「発射されます❗️」

アイが叫ぶ。

「タンッ…」

アイの悲痛な声と共に、ヴェロニカが入力キーを叩いた。


世界が、目を閉じた。


「ギュォーン❗️ギューン!・・・キューン・・・キューン・・・キュン・・・・・・」

その音が、徐々に鎮まって行く。

要塞の光も弱まり、シールドが消え、神秘的な遺跡の顔へと戻っていく。


「…終わった…」

力なくつぶやくヴェロニカ。

「ふぅ~」

二人同時に大きなため息をつく。



「ヴェロニカ・・・愛されてて良かったね」

「ラブ⁉️」

かすかに目を開けて、ラブが微笑む。



「ゴゴゴゴゴ・・・」

要塞が動き始めた。


「おっと!早くずらかろうぜ。こういうヤツは、終わったら崩れ落ちるか、海に消えるかってのが定番だ❗️」


T2の言う通り、遺跡は、再び深い海の底へと帰り始めていたのである。

T2が、ラブとヴェロニカを抱えて外へ出る。


「さて、さすがの俺も、二人抱えては泳げねぇな・・・」

「《《今回も》》飛行機壊しちゃったしね」

「またですか⁉️」

「いやっ!ちょっと待てよ!ありゃあ仕方ねぇだろ。無茶言うな💦」

「ハハ、冗談よ、T2」

ヴェロニカとラブが笑う。

「こういう時の定番はね・・・ほら」

ラブが指差す方角から、救助ヘリが現れた。
通信器に声が入る。

「ラブ。大丈夫ですか?」

「ロビン。やっぱ、あなたしかいないわ❗️いつから救護班に❓」

「いや・・・これは自分の機ではなくて・・・」

「ラブさん、始めまして。ロビンのワイフのエリザです」

「ロビン!あなたの奥さんも軍人だったの?」

「ハハ・・・実は」

「じゃあ、今日はお礼のキスはなしね!」

「シッ❗️ラブ💦それは・・・💧」

「あなた・・・お礼の何ですって?」

「ラブぅ…💦」

「ハハ…ごめん」



丁度、水平線から朝日が昇り始め、世界は、また新しい一日を迎えた。


(鬼島さん。おじいちゃん。ベル。・・・メイ。ありがとう。あなたたちのことは、絶対に忘れない。)
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