また風に抱きしめられるまで、何時までもここでずっと待っている
ある風が強い夜、

街を見渡せるようなビルの屋上で、
君と出会った

きみに、「一目惚れした」と言われたときから、

きみが、優しく笑いかけてくれたときから、
世界に、色が落ちたんだ。

きみが落としてくれた色が、ゆっくりと私の世界を彩ってくれた。

モノクロで濁った世界が、虹色でキラキラしたんだ。

あったかいきみの笑顔と声が、寒くて凍てつきそうだった私を、溶かしてくれた。

ちょっとだけ、ドラマみたいだったかも、なんて。

きみといた数日間は、自分の居場所ができた気がしたんだ。

諦めずに、生きる意味を探すことができた。

だから、この選択が間違いだと思っていない。後悔がないと言ったら嘘になるけど。

きみを好きになり、あこがれ、一緒に過ごした大切な日々。




ほら、明日にはこんなにもたくさんの色が咲いている。
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