協道結婚
協道結婚中の二人。

夕飯の支度をする静華。
…ちゃんと作ってます。

「ただいま〜♪」

静華が手を止め、玄関へ飛ぶ。

丁度靴を脱いでフロアに上がった誠にダイブ。
抱き締め合う二人。

「おかえり、誠 💏」

既に極限の協道結婚の領域である。

夕飯を食べた後は、このマンションでの生活について、利点や不利点を話し合う。
そして、不利点の改善策を探す。
それらの実体験を契約者に正直に伝える。

この効果もあってか、マンション経営部門は順調に業績を伸ばしていった。

しかし、それも終盤を迎えていたのである。

打ち合わせが終わり、ここでの協道結婚は、終了することになった。

ソファーで誠を見つめる静華。

「ん?ど、どうかしましたか?」

堪え切れず抱きつく静華。

「誠。ありがと」

「なんですか、急に。こちらこそ、静華には感謝してるんですから」

静華の理由はわかっていた。
そして、今度は誠から切り出した。

「静華、協道結婚なのですが…」

咄嗟に離れる静華。

「そうそう! ハッピーが岩崎建設の傘下に入ったから、ちょっと変な感じよね」

「それはぁ…会社としては今まで通り、別なので問題ないと思います」

「あ、そっかぁ。ハッピーはハッピーのままだもんね。じゃあ、次はどこにする?」

暫く…何か考え込んでいる様子。

「どうしたの?」



「静華さん」

(ドキン💓)

久しぶりのさん付けと、誠の真剣な目に驚く。

「私と結婚してくれませんか?」

 ✨🎊✨ パーン❣️

「きょ、協道…結婚じゃ…なくて?」

「はい。なくて」

 ✨🎊✨パン🎉パーンッ❣️

無数のハイビスカスが🌺咲いた🌺
今回は本物みたい。

「初めて会った時から、ずっと静華のことが気になって、会ってるうちに、静華のことが好きだとわかった。だから、静華の事をもっと知りたくて、もっと静華といたくて、協道結婚を思いついたんだ」

「初めて会った時?…と、盗撮魔💦 あ、取り押さえてしまったし💦 あ、あんな私…を?」

「はい。そんな貴女を」

今までの記憶が頭の中を駆け巡る。

「でも…卑怯ですよね。協道結婚なんて。素直に言えずに騙したみたいで。ごめんね、静華」

思わず誠を抱きしめていた。

「そんなことない!わ…私もずっと誠のことが好きで。でも、私なんかじゃダメだって…だから協道結婚が終わるのが怖かった」

誠が強く抱き締める。


「こんな私でもいいかな?静華」

「こんな私だけど、よろしくお願いします。」

二人の頬に、同じ色の涙が流れた。
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