協道結婚
「あの写真が、やはり気になりますか」

図星。
一体どんな顔してたのか?
と思うとまた恥ずかしさが込み上げて来た。

「あれは、言うなら事故なんです」

「事故?」

「ええ、確か静華さんも愛phonでしたよね。」

「ええ、そうです」
自分の携帯をテーブルに出す。

ミニオンマスコットが恥ずかしかった。
(ミニオン、ごめん!)

「背面タップ機能って、知ってますか?」

知らなかった。

「私の場合、背面を2回タップすると、スクリーンショットする様に設定してあるんです。ほら。」

彼が、愛phonの背面を指で、「トントン」とすると、「カシャ」と音がしてスクリーンが写真になっていた。

(凄い。そんな機能が…)

「よくあるんです。例えばほら、こうすると」

彼が愛phonをテーブルに斜めにして手を離して落とした。

「ゴトゴト」

すると、「カシャ」とスクリーンショットが撮れたのである。

「ね。あの時多分、君の足元に落ちた時に、これが起こってしまい…」

「ストーップ❣️」

そこから先は聞くべからず。

「それで…ああなって、あちゃー💦」

「分かってくれましたか?」

「コクリ」
彼の顔が見れず、無言で頷く。

「ご、ごめんなさい。ほんっとにごめん!」

「良かった〜。ふぅ〜」

(そんなに気にしてくれてたんだ)

彼の態度でよく分かった。
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