イケメン総長は、姫を一途に護りたい
しかし…その正体は、まさか同い年の昔の幼なじみだったとは。



「こんなに背が高くなったら、千隼くんだってわからないよっ」

「…そう?俺はぶつかられてすぐに、なんとなく咲姫だって気づいたけどな」

「ほんと⁉︎」

「ああ。だって、どこか抜けてる感じとか、昔と変わんねぇもん」


そ…そうなのかな?

もう中学2年生になるっていうのに、小学生の頃からそんなに変わってないもの…?


「でも、気づいてくれたのなら、あのときに声かけてくれたってよかったのに」


そうすれば、わたしがあの場で怯えることもなかった。


だけど、千隼くんは不思議そうに首を傾げる。


「…俺、声かけたけど」

「え?」


…いつ?

どこで…?


あのときのことを振り返ってみる。



わたしが千隼くんにぶつかって――。
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