イケメン総長は、姫を一途に護りたい
守備隊は崩れて倒れ込み、棒に登っていた3年生の攻撃隊も、傾きによって次から次へと上から降ってくる。


2年生が支えていた棒は、3年生によって、わたしを下に巻き込みながら倒されたのだった。



将棋倒しのように、人と人とが折り重なる。


…重い。

…苦しい。


わたしと同じく、棒の下敷きになった人だろうか。

小さなうめき声も聞こえてくる。


さっきもケガ人が出ていた。


上から、棒と人が降ってきたんだ。

わたしも無傷ではないだろう。



――でも。


…あれ?

痛く……ない。


もしかして、感覚すらないくらいの重傷…?


そう思って、おそるおそる目を開けると――。



「……ッ…!…咲姫、大丈夫か…!?」


なんと、千隼くんがわたしを庇うように、体の上に覆いかぶさっていた…!
< 227 / 288 >

この作品をシェア

pagetop