イケメン総長は、姫を一途に護りたい
千隼くんの背中の上には、自チームの棒が倒れている。


わたしが棒と人に押し潰されそうになったとき、千隼くんが間に入って、背中で受け止めてくれたんだ。


「わたしは…大丈夫だけど、どうしてっ…」


だって、千隼くんはさっきまで、敵チームの棒に飛びかかっていたのに。


吐息がわたしの頬にかかるくらい、すぐ目の前には千隼くんの顔。


わたしがなんともないとわかって、ほっと安心したように、千隼くんの表情が緩む。

しかし、すぐにキッと目を細めた。


「なんで、こんな危ない競技なんかに参加してんだよっ…!!」


怒鳴る千隼くんの声にびっくりして、思わず目が丸くなる。


「こっちの棒が倒されるって思ったとき、横目に咲姫がいるのが見えてっ…」


それで千隼くんは、敵チームの棒から飛び下りて、急いでわたしのところへ駆けつけてくれたんだそう。
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