イケメン総長は、姫を一途に護りたい
「…でも、あとちょっとで相手の棒を倒せそうだったのに」

「そんなの、競技どころじゃねぇに決まってんだろっ…!」


そう訴えかける千隼くんの瞳から、わたしは目を逸らすことができなかった。


どうして、千隼くんはそうまでして、わたしのことを…。

わたしのことなんて、もうどうでもいいはずなのに。



徐々に人々がはけていき、千隼くんは背中に倒れていた棒を力いっぱい投げ捨てた。


「あのまま棒の下敷きになってたら、ケガだけじゃすまなかったかもしれねぇんだぞ…!?」

「ご…ごめんなさい、千隼くん…」


こんなに怒った千隼くんは初めてで…。

わたしはどうしたらいいかわからず、謝るしかなかった。



「…咲姫、大丈夫か!?どうして、棒倒しに咲姫がっ…」


そこへ、慌てた様子の光さんが駆けつけてきた。
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