イケメン総長は、姫を一途に護りたい
そんな中、わたしはアイボリーのニット生地のワンピース姿で歩いている。

まるで、だれかと遊びに行くときのような格好だ。


その理由は、急すぎる転校だったから、まだ新しい制服が手配できていないから。

だから、しばらくの間は、わたしだけ私服登校が認められている。



バスと電車を乗り継いで、学校のある最寄り駅で下車した。

わたしと同じ電車から、黒の学ラン姿の男子生徒たちも降りてくる。


「咲姫っ」

「千隼くん!」


わたしがおどおどしながら駅の改札を出ると、そこで千隼くんが待ってくれていた。


千隼くんは寮に住んでいるから、駅には用事はないはずなのに。


「もしかして…、待っててくれてたの?」

「ああ、慧さんに頼まれて。学校までエスコートしてやってくれって」

「もうっ…お父さんてば」
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