イケメン総長は、姫を一途に護りたい
…千隼くんに、褒められてしまった。


ただそれだけのことなのに、なんだかすっごくうれしい。



そして、学校へ着くと、千隼くんはわたしを職員室まで案内してくれた。


職員室に行くまでの間で、何人もの学ランを着た生徒たちとすれ違った。

みんな驚いたように、目をまん丸にしてわたしを見ていく。


このときは、ただわたしが私服ということに驚いているだけだと思っていた。


…しかし、そのわけはまたあとからわかるのだった。



千隼くんと別れ、職員室に入る。

すると、パッと見る限りでは、腕っぷしの強そうな男の先生たちが多く見受けられた。


女の先生はいないのかな…?


そう思っていると――。


「あなたが、楡野(にれの)咲姫さんね!」


職員室の奥から、黒髪の切りっぱなしボブヘアの女の人が顔を出す。
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