イケメン総長は、姫を一途に護りたい
そういえば昨日、こわそうな人にぶつかったんだった…。


もしかしたら、そのときにプレゼントがバッグから飛び出して、……それで。


家に帰ってきてから、バッグには一度も触っていない。


…だから、きっとあのときに落としてしまったに違いないっ。


もし、あのこわそうな人たちが気づいて拾ってくれていたとしても…。

今頃くしゃくしゃにされて、どこかにポイされていることだろう。


「どうした…咲姫?」


明らかに落ち込んでしまっているわたしに、声をかけるお父さん。


「実は昨日、お父さんへのプレゼントを買ったんだけど…。それをどこかに落としたみたいで…」


ネクタイピンが入っていたのは、プレゼント用に用意してもらった、かっこいい黒の小箱。

手のひらサイズの小さな箱だったから、うっかり落としたりしたら、気づかないかもしれない。
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