イケメン総長は、姫を一途に護りたい
だけど、大切なプレゼントがなくなったことに、今の今まで気づかないだなんて…。

…ほんと情けない。


せっかく、お父さんに喜んでもらおうと思って買ったのに…。


「…ごめんなさい、お父さん」

「どうして、咲姫が謝るんだ?」

「だって…、わたし――」

「咲姫のその気持ちだけで十分だよっ」


そう言って、お父さんは優しくわたしの頭を撫でてくれた。


お父さんの優しい笑顔。

包み込んでくれる大きな手。


そのすべてが、大好きだ。


「わたし、こんなにお父さんのことが好きなのに、これから1人で大丈夫かなっ…」


今さらだけど、不安になってきた。

夜になったら、尚さら1人で寂しくなりそうだし。


こんなときは、

「心配するな!離れていたって、家族の縁が切れるわけじゃないんだからなっ」
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