総長、私のリボンほどいて。🎀
それから2人で黒のウィッグを遠くのコスプレショップまで電車に乗って買いに行った。
コスプレショップはビルの5階にあり、試着室で自分で選んだ黒のふわロングのウィッグを被ってみる。
「被れたか?」
「うん」
私が短く答えると氷雅お兄ちゃんがシャッ! と試着室のカーテンを開ける。
「…どう? 氷雅お兄ちゃん」
私は恥ずかしそうに尋ねる。
「似合ってる」
氷雅お兄ちゃんはそう言うと中に入ってきてカーテンを閉めた。
そして私の頭を撫でる。
「高校からは中学の連中とは別れて知らない奴らばかりだ」
「俺は金髪で通ったが、お前は黒髪ってことにすればいい」
「金髪なのは俺だけが知ってればいいだろ?」
「そうだね」
「登校する時は必ず黒のウィッグ被ること、いいな?」
「うん、分かった」
私は氷雅お兄ちゃんとふわふわのカーテンの中で約束した。