総長、私のリボンほどいて。🎀
体の力が抜け、私はその場にぺたんと崩れ落ちた。
「…おい、星野、大丈夫か?」
「うん、大丈夫…」
月沢くんが手を差し出してきた。
私は手を伸ばす。
あ、指が触れて……。
バッ!
私はすぐに手を引っ込める。
「…は?」
「あ、だ、大丈夫」
「自分で立てるので…」
私はそう言って自分で立ち上がった。
月沢くん、せっかく立ち上がらせようとしてくれたのに。
き、気まずい…。
それに……。
“月沢くんが〜暴走族有栖の〜総長だからに決まってんだろ”
天川くんの言葉が脳裏から離れなくて――――。
キーンコーンカーンコーン♪
HR前の予鈴が鳴り響く。
「…あ、教室戻るね」
私はそう言うと屋上の扉を開け、階段を駆け下りて行った。