総長、私のリボンほどいて。🎀


「…星野(ほしの)
 その日の深夜。月沢(つきさわ)くんがベランダの仕切り板の穴から話しかけてきた。

 月沢(つきさわ)くんは白髪で、ネイビー色のTシャツに黒のTシャツを重ね着し黒のスキニーパンツを穿いていて、

 私は黒のウィッグを被り、裾にリボンがついたオフホワイトのゆるTシャツに短パンを穿いている。

 仕切り板があって良かった。
 冷静に話せそう。

月沢(つきさわ)くん、朝はごめんなさい」

「…今日は謝ってばっかだな」
「…なんで避けんの?」

「夜の保健室で月沢(つきさわ)くんと一緒にいてから」
「その意識しすぎちゃって……」

「…それは見てて分かった」

「え……」
 私の顔が、かぁぁっと熱くなる。

「…でもそれだけじゃないだろ?」
「…ウィッグ取ったの後悔してるんじゃないのか?」

「罪悪感は…ある。だけど後悔はしてないよ」

「…そう」
「…星野(ほしの)、俺に聞きたいことあるだろ」
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