総長、私のリボンほどいて。🎀

「なん…で…」
「私達、捨てられちゃったの?」

 私はその場で崩れ落ちた。

「ありす!」
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが必死な声で叫ぶ。

「明日から2人でよろしくねって…何?」

 お母さんとお父さんがイギリス人の祖母と仲が悪いの知ってた。

 “祖母と同じ金髪じゃなくて、あたし達と同じ黒髪だったらね”って毎日呟いてた。
 だから髪のこと気にしてたのに。
 まさか別に愛人がいたなんて。

 私の両目から大粒の涙が零れ落ちていく。
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは私よりも切ない顔をする。

「私が金髪だから出て行ったの?」
「私のせいなの…!?」
< 8 / 480 >

この作品をシェア

pagetop