月の光
「氷の妖精なんてあだ名もあったりするみたいだよ」
「スクールが終わった後も毎日一人で練習してるからね」
コーチとあれこれ話しているといつの間にか10分前になっていて彼女がこちらに滑って来た。
僕に気づくと、少し会釈して通りすぎようとした。僕は何故か咄嗟に彼女の腕を掴んでいた。
彼女はびっくりしていて、僕もそんな彼女を見て自分のしたことにびっくりした。
「あっあの、コツとかありますかっ?」
隣にコーチがいるのに何を聞いているんだと言った後に気づいたけれどもう遅かった。そんな僕を見てコーチは笑っているし。笑うことないじゃんか!
そんな僕の葛藤をよそに、彼女は
「コツですか?常に重心を爪先に置くことと、あとは…」
「う~ん。あんまり意識したことなかったのでちゃんとしたコツ言えなくてごめんなさい」
とすごく丁寧に答えてくれた。
「ありがとうございます!」
やった!人見知りせず彼女と少し話せたぞと心のなかで小さくガッツポーズをした。彼女は
「いいえ。頑張ってくださいね。」
と言って、今度こそ行ってしまった。
よし、頑張ろう。
「コーチ!早くやりましょー!」
まだ笑っているコーチは、まだ笑っていたけど声をかけると
「ははっ。やろうか。」
と言ってくれた。
氷の上はすぐに慣れたけれど、ピックを動かすのが難しかった。
あれから週に3回くらい時間を見つけてはリンクに通って、その度に彼女と少し話をするのが楽しみだった。
「スクールが終わった後も毎日一人で練習してるからね」
コーチとあれこれ話しているといつの間にか10分前になっていて彼女がこちらに滑って来た。
僕に気づくと、少し会釈して通りすぎようとした。僕は何故か咄嗟に彼女の腕を掴んでいた。
彼女はびっくりしていて、僕もそんな彼女を見て自分のしたことにびっくりした。
「あっあの、コツとかありますかっ?」
隣にコーチがいるのに何を聞いているんだと言った後に気づいたけれどもう遅かった。そんな僕を見てコーチは笑っているし。笑うことないじゃんか!
そんな僕の葛藤をよそに、彼女は
「コツですか?常に重心を爪先に置くことと、あとは…」
「う~ん。あんまり意識したことなかったのでちゃんとしたコツ言えなくてごめんなさい」
とすごく丁寧に答えてくれた。
「ありがとうございます!」
やった!人見知りせず彼女と少し話せたぞと心のなかで小さくガッツポーズをした。彼女は
「いいえ。頑張ってくださいね。」
と言って、今度こそ行ってしまった。
よし、頑張ろう。
「コーチ!早くやりましょー!」
まだ笑っているコーチは、まだ笑っていたけど声をかけると
「ははっ。やろうか。」
と言ってくれた。
氷の上はすぐに慣れたけれど、ピックを動かすのが難しかった。
あれから週に3回くらい時間を見つけてはリンクに通って、その度に彼女と少し話をするのが楽しみだった。