月の光
「最初はやっぱり筋肉痛すごかったですよ」

「誰でもなるさ」

「もう会えなくなるんですね」

「…」
「そうだな。また、アイスホッケーやりたくなったら声かけろよ!」

「へっ!違いますよ!彼女に、ですよ」
「そりゃコーチに会えなくなるのも寂しいですけど」

「俺はオマケかい!」
「来週の水曜日、日本に帰っちゃうぞ」

「え…」

「まぁ、思いを伝えるなら早い方がいいんじゃないか?」

「出来ませんよ。」
「僕はアイドルで、彼女は選手です。僕にはarmyがいるし、彼女には彼女の人生があるんです。僕の好きって気持ちで彼女の未来の邪魔をしたくありません」

「それで後悔しないのか?苦しくないのか?」

「苦しいに決まってます。だから、僕がもっと成長してもし彼女に逢えたら今度はちゃんと言うつもりです。」
「好きだよ。もう離さないって」
「ほんとは今すぐ言いたいですけど、我慢します。今の僕には足りないものが多すぎるから」

「そうか。まあ頑張れよ。いつでも話は聞いてやるからよー。ついでに嫁さんの飯も食ってけ!旨いからな!」
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