月の光

車が家に着いた瞬間、僕は走りながら車を運転してくれたマネジャーにお礼を言って家の玄関に飛び込んだ。

来ていた服を脱ぎながら携帯を開いてみると、他の人の演技は終わっていて、表彰が始まるところだった。

まだ時間あるっ！

家の中をドタドタと携帯を持って走り回りながら、手洗いうがいを済ませ、服を着替えて、急いでご飯を用意にして席に着いた。

1位は…
よかった。まだ、これからだ。

1位の表彰台に誰かが上がる。
カメラがズームになった瞬間、僕は持っていたお箸を落とした。

「城野雪！」

彼女が笑顔で嬉し涙を流しながらコメントする姿を見て、僕はほっとため息をついた。
彼女の笑顔に相変わらず目がそらせなくて、カメラが切り替わった瞬間はっと気づき僕は一人で笑ってしまった。

～♪～

表彰式が終わったあと、携帯の着信音がなった。

誰だろ。もしかして…