生贄は囚われの愛を乞う~棄てられ令嬢と狼将軍~
だが、再会したレナはそんな噂が嘘のようにあの頃と何も変わらず、美しさだけが増していた。
孤児院を見捨て、俺から去ったのに何故なのか。
激しい憎しみと同時に、どうしても彼女が欲しいという欲望にローガンは身を焦がした。
有無を言わさず囲い込み、衝動のまま踏みにじるようにその身を汚した。
まさか純潔でいたなどとは思わず、動揺と後悔と同時に感じたのは、言葉にできないほどの喜び。
離れていた日々に降り積もった思いをぶつけるように抱きつぶした。
どんなに酷くしてもレナは領主たちの居場所を口にしなかった。
最初は庇っているのかと思ったが、本当に知らないのだとすぐに分かった。
不審に思い、かつて領主の使用人だったものを探し出し調べてみれば噂は全て嘘偽りで、しかもレナは孤児院への援助を人質に取られ領主たちの家で虐待まがいの教育をされていただけだったのだ。
後悔と罪悪感でローガンは心が潰れそうだった。
溺れる程の酒を飲み、眠るレナの身体を抱きしめた。
その柔らかさに真実を打ち明け謝罪すべきだと良心が悲鳴を上げたが、もうすでにローガンはレナなしでは生きていけぬ身体になっている。
手放せるものかと、彼の魂が叫び声をあげていた。
心を決めたローガンは、手始めに既に居場所を突き止めた領主一族を全て葬るために動き始める。
奴らさえ見つからなければ、レナは永遠にローガンの虜囚。
「二度と誰にも奪わせるものか」
絞り出すように呟きながら、ローガンは仄暗い炎を残された瞳に宿していた。