俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~


強い口調で、お義母さんがコソッと小声で言う。そんな二人の掛け合いを見ていると、ふとあることが頭を過った。

愛人の子を今まで育ててきた彼女の心境はどんなものだったんだろうって。そして、日比谷先生も……。二人の関係は、うまくいっていたのだろうか……。

「うるさい連中がたくさんいるけど、黙って座っていればいいから」

すると先生が、私にこそっと耳打ちした。私はよくわからないままに、はい、と静かに頷いた。それから少しして要先生もやって来た。私を見るなり、満面の笑みで手を振ってきて、そして私の隣に腰を下ろすと手を合わせ謝ってきた。

「ごめんねー、俺がついうっかりしゃべったばかりに、宮永さんまで呼ばれるはめになって」
「い、いえ……」
「あれ? なんだか今日の宮永さん、すごく綺麗だね。それ、颯士のため?」
「え? あの、それは」
「わぁ照れてる。可愛い~」

この空気を感じているのか、敢えて気が付かないふりをしているのか、相変わらずの軽いノリの要先生。けれど今はその明るさに救われる。要先生がいてくれてよかった。


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