俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~
そして要先生は「あそこいるのはさ」と、こっそりおじさんたちのことを教えてくれた。
彼らは院長の兄弟や親せきにあたる人達らしい。つまりお義母さんにとって、意見しづらい人達ということだろう。
全員が揃ったところで、今日は食事をしながら今後の日比谷家について話合おうと、お義母さんが取り仕切った。各々談笑しながら食べたり飲んだりしている。だが私は全然箸が進まなかった。出される料理はどれもおいしそうだけど、この緊張感は食欲を鈍らせる。
あぁ、早く時間がすぎてほしい。
「颯士くんには付き合っている子がいるみたいだけど、要くんはどうなの?」
どこからともなくそんな声が聞こえてきて、ハッとする。経営陣、参与の奥さんが、一番奥の席から口にしたものだった。
「今はいません」
「意外ねー。要くんなら女性の方が放っておかないでしょうに」
「そんなことないですよ」
「またまた謙遜しちゃって」
こういうおばさんは、お見合い話とか持ってきそうだな。親せきに一人はいそうな、ちょっとお節介な人といった感じ。
「跡取りなんだから、早く身を固めないと」