俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~


ヒソヒソと奥様達が話すのが聞こえる。なんてデリカシーがない人たちなの。例えそれが事実でも、子は生まれてくる家を選べない。子供だった先生にはなんの罪もないのに……。悔しくて喉の奥がキュッと詰まったような感じになる。

「要くんがよければ、近々公に発表しよう。形だけでもそうしていたほうが、院長も安心するだろうし」

参与が名案とばかりに口を開く。それに、奥様方が賛同の声を上げる。

「それならやっぱり、家庭を持っていた方がなにかといいわ。いいお嬢さん、紹介しましょう」

もはや彼らの独壇場だった。どうしてお義母さんは何も言わないんだろう。もしかして、先生がこんな風に言われているのを、全く気にしていない? むしろ賛同しているとか?

「あの」

気が付いたら、後先も考えずに声を上げていた。一気に視線が集まる。

「さっきから養子だ養子だって、それがどうしたんですか。先生は、養子の前に日比谷颯士という立派な脳外科の医者です」

突然現れた小娘が何を言うとばかりに、おじさんたちがムッとした表情で私を見ている。日比谷先生は口元を結び引き、目で放っておけと言っているのがわかる。


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