一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
「あぁ、それ。いつか話そうと思ってたんだけど──」
そう琥珀くんは、ぽつりぽつりと話し始めた。
それは時を遡り……
「俺がまだ中3で荒れてた時、あの日は雨が降っていた。そんなのも気にせずに気晴らしにコンビニまで歩いてたんだ」
琥珀くんの話に相槌をうつ。
中3。
それはあの事件があった年。
それが気になってさらに耳を傾けた。
「そしたら何かから逃げるように必死に走る女の姿が見えたんだ」
重なっていく私の過去と琥珀くんの話。
「その女は男の人から逃げていた。俺が話しかけたんだ」
「それって……」
「あん時の瑠莉だろ?俯いててはっきりと顔は見えなかったけど、一瞬見えた怯えた顔がずっと忘れられなかった」
まさか、あの日声をかけて助けてくれたのが琥珀くんだったなんて。
あの時声をかけてくれた、助けてくれた恩人はもっと大人だと思ってた。