一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



小さいA5サイズのプリントが配られ、先生の「始め」の合図で一斉に解き始める。


小テストの問題は全部で10問。


制限時間はだいたい5分。


1問1点の10点満点。


成績をつける上でも参考にするなんて言い出したものだから、手を抜く訳にも行かず、頭をフル回転させてなんとか全部埋めることができた。


何問かスペルが不安だけれど。



「はい、やめー!これから答え合わせするから、席が隣の奴と交換して赤ペン準備」



隣の人と交換……ってことは天地くんとってことだよね。


私の右隣は壁。


あいにくだけれど、壁は採点なんてしてくれない。


こっそり自分で丸つけしてしまおうかと思ったけれど、先生からの視線も感じ、意を決して天地くんに声をかけてみることにした。



「あ、天地くんっ……プリント交換を……」



腕を組みながら俯いている天地くん。


もしかしてもう寝ちゃってる?


もしそうだったら諦めるしかない。



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