一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



そんなある日のお昼休み。



「本当に大丈夫?瑠莉、あんた天地に脅されてるんじゃ」



朝と放課後の挨拶のやり取りに加え、英語の小テストをきっかけに少しだけ会話をすることも増えたこともあり、天地くん……琥珀くんと関わることが増えていた。


そんな場面を後ろから見ていた友香ちゃん。


琥珀くんは噂と違って優しい人だという私の意見を信じると言ってくれた友香ちゃんだけれど、まだ何か引っかかってしまっているのかものすごく心配しているらしい。


友香ちゃんは机の上にお母さんの手作り弁当を広げて、深刻そうな表情で私の顔を覗き込んでいた。


私が男性恐怖症であるから、きっと尚更心配もあるんだろう。


友香ちゃんは私のことを過保護なくらい気にかけてくれるから。


そういう面で言えば、健兄と過保護さは同じレベルなんじゃないかと思ってしまうくらい。



「違うよ!琥珀くんは本当にそんな人じゃなくて!」



心配してくれるのはとっても嬉しいけれど、誤解はちゃんと解かないといけない。


私は食い気味に訂正した。



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