一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



「今日は多いから手伝うよ」



爽やかな笑顔で優しい言葉をかけてくれる中野くん。


本当なら嬉しい。


本当ならありがとうって素直に受け入れて手伝ってもらうべきなんだと思う。


本当なら……



「ううん、そんな重くないし大丈夫だよ、ありがとう」



引きつってしまっていないか不安になりながらも笑顔を作って言葉を返した。


心配して声をかけてくれたのはありがたい。


でも、これ以上近くには居られない。


ローファーに履き替えて、ごみ袋を持ち直した。


早くここから離れないとと足早に去ろうとしたのに。



「いやいや、俺にも手伝わせて?」


「……やっ!」



男の子は軽い気持ちで私の肩を叩いて、引き止めたのだと思う。


こんな小さなボディータッチなんて、きっと普通のこと。


でも、私にとって不意に触れられることは怖くて仕方がないこと。


体が強ばって、持っていたゴミ袋を落としてしまった。



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