一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
「なんでここに居んの?」
その声は背中越しに聞こえた。
後ろから人が近づいてくる気配にも気づいていなかった私の体は、びっくりしてビクッと震えた。
振り返ると、探していた琥珀くんがカウンターに寄りかかって、腕を組んで私を見ていた。
「琥珀……くんっ」
本当にここで琥珀くんに会えるなんて。
「あ、えっと……」
驚きのあまり頭の中が真っ白になってしまって、琥珀くんに何を伝えようとしていたのかわかんなくなってしまった。
私はどうして琥珀くんに会いに……あ、そうだ。
昨日のお礼を伝えるためだった。
「あの、昨日のことで…」
「……!こっち来い!」
目を見るのが恥ずかしくて俯いたまま口を開いた途端、何かに焦った様子の琥珀くんに腕を強く引かれ、ぐわんと視界が回った。
「え、琥珀くんっ!?」
「しっ、静かに」
図書準備室に積み上がっていたダンボールの後ろに身を潜め、今は後ろから回された大きな琥珀くんの手によって口が塞がれている。