モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい
白のタキシードをビシっと格好良くキメてて、まるで絵本から飛び出てきた王子様みたい。

いつもはサラサラな髪もアレンジされてて、こんな蒼井くん初めて見たよ。



「…あの時はちょっと責めすぎたかなって思ってる。ごめん」



「あの時」っていうのは多分、わたしが婚約解消の話をしようと家に行った時のこと。



「莉愛ちゃんを手放したくなくて必死だったから。でも、俺を選んでくれてありがとう」



「ううん、こちらこそだよ」



鏡越しに目が合って、なんだかちょっとだけ恥ずかしい。

蒼井くんが旦那さんー…になるんだよね。


『16歳で結婚』なんて絶対に有り得ないって思ってたけど、まさかその日がこんなにも早くに訪れるなんて。



夢のまた夢のことかと思っていたから正直いってまだ頭が追いつかない。



ガチャっと立て続けに入ってきたのはお母さんと陽貴。
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